INTRODUCTION
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『TIME/タイム』はロサンゼルス市内と周辺でのオールロケで撮影された。アンドリューは語る。「永遠に若さを維持することに世界で最も執着しているこの街で撮影をするのは、とても興味深いことだった。本作のプロダクション・デザインについて考えている時、結局ボディ・クロックの発明は、他のすべての発明を消滅させることになるんじゃないかってアイデアに行き着いたんだ。貧しい者は新しいものを生み出す時間がなく、富める者には新しいものを生み出そうとする動機がないからね。富裕ゾーンの人間は“100年後にできることをなぜ今やるのか?”って考えるだろうと思った。一方で、スラム・ゾーンには一つも落書きがないことにしようと決めた。なぜなら貧しい者には壁に落書きをする時間もないからね。スラム・ゾーンのデイトンでは人々は全員が早歩きしているから、カメラは常に動き続けている。一方、富裕ゾーンのニューグリニッジでは、逆にカメラのスピードを落としている。富裕ゾーンでは時間がゆっくり進んでいる感じを出したかったからなんだ。同様に、音楽もデイトンのシーンではアップテンポとなり、ニューグリニッジのシーンではスローになるんだ」
デイトンの色彩はポップだが、一方、ニューグリニッジの色彩パレットは抑え目の色だ。鮮やかな色は何十年も見られていては飽きられると考えられたからだ。左腕のボディ・クロックは財布であり、銀行の口座と同じだ。デイトンでは、それはすぐにアクセスできるものでなくてはいけない。時間がもったいないので、服も容易にすばやく着用できるものである必要がある。一方、ニューグリニッジでは左腕は時間を奪われないように保護され、豪華な衣服やアクセサリーで着飾る行為は“時間をつぶす”という考え方が反映されている。そして、髪型やメイキャップには贅沢の限りが尽くされている。