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1980年代半ば以降に『ターミネーター2』『トゥルー・ライズ』といった画期的な話題作を次々と世に送り出し、ハリウッド最強のヒットメーカーとなったジェームズ・キャメロン監督が、豪華客船の沈没という歴史上の悲劇の映画化に取り組んだ『タイタニック』。史上最大の製作費2億ドルを投じて1997年に完成をみたこの映画は、まさしく“世紀の超大作”として世界中を魅了し、アカデミー賞では作品賞、監督賞など11部門を独占した。のちにキャメロン監督自身の『アバター』に塗り替えられるまで、歴代トップに君臨した世界興収記録は約18.4億ドル。日本における興収262億円は、今なお外国映画の歴代1位の座を保ち続けている。
これら幾つもの輝かしい勲章を手にした『タイタニック』が成し遂げた本当の偉業は、3時間超の破格の長さを感じさせることなく、ひたすら観る者を夢中にさせた映画体験の驚異的なインパクトにある。その比類なき興奮と感動は、あらゆる世代の映画ファンにとって生涯忘れえぬ一大イベントとなり、初公開から15年を経た今も多くの観客が“いつ、どこで、誰と観たか”をまざまざと記憶している。その事実こそ『タイタニック』が真なる不朽の名作と呼ばれるゆえんである。
そしてタイタニック号の出航&沈没から100年の節目を迎えた2012年、新たな進化を遂げた『タイタニック』が再び全世界を席巻しようとしている。ハリウッドで最も早くから3Dブームの到来を予見し、画期的な映像革命と呼ばれた『アバター』で新時代のパイオニアとなったキャメロンが、ついに自らの代表作の3D化を実現させたのだ。完璧主義者たるキャメロンの並々ならぬプライドと情熱がこめられた本作は、フィルム撮影されたオリジナル映像の全ショットの全フレームを彼自身が入念にチェックし、実に60週間に及ぶ膨大な作業によって3Dの奥行きを生み出した入魂のバージョン。常日頃から「『タイタニック』は劇場でこそ観るべき映画だ」と主張してやまないキャメロンにとって、今回の3D化は念願の試みであり、ファンにとってはまさに待望の企画と言えるだろう。